竹下通りのアイデンティティを根底で支えてきたのが、鮮やかな色彩と自由な自我表現を象徴する「カワイイ文化」だ。90年代後半から2000年代にかけて、全身をフリルとレースで飾るロリータ・ファッションや、独自の美意識を凝縮したストリートファッションに身を包んだ若者たちがこの通りを闊歩し、独自のコミュニティを形成していった。
この世界観を世界的なポップアイコンへと押し上げた立役者の一人が、アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅだ。彼女の視覚的イメージや音楽表現は、まさにこの街の路上で培われたビジュアルショックそのものだった。さらに、美術家・アートディレクターの増田セバスチャンが手がけた原宿のコンセプチュアルな空間作品群は、原宿の「カワイイ」を単なる一過性の流行から、世界的な現代アートおよびカルチャーの領域へと昇華させた。彼らが提示した奇抜でポップな感覚は、世界中のファンを魅了し続けている。