あの独特な甘みの正体、それはティッシュに塗布されている保湿成分そのものだ。主原料として広く用いられているのが、ポリオール類に分類されるグリセリンとソルビトールである。これらは化学構造上、糖アルコールや多価アルコールに属する化合物だ。
グリセリンは無色透明の液体で高い吸湿性を持ち、舌にある甘味受容体を刺激する性質を備えている。砂糖のような強い甘さではないものの、口に触れるとほのかな甘みを感じる。一方のソルビトールは、果物などにも含まれる天然由来の甘味料であり、市販のガムや医薬品の添加物としてもおなじみの成分だ。
製紙企業は、空気中の水分を効率よく取り込んで紙の繊維をしなやかに保つ目的で、これらの成分を塗布している。つまり、私たちが感じる甘みは、肌触りを極限まで柔らかくしようと追求した結果生じた、予期せぬ「副産物」なのだ。