「瀬戸内海の海水を100%そのまま煮詰めている」という思い込みは、多くの人が抱く最大の誤解かもしれない。伯方の塩の主原料は、遠く離れたメキシコ・ゲレロネグロ塩田やオーストラリアの天日塩田で、太陽と風の力だけで約2年かけて結晶化された天日塩だ。
なぜ海外の塩を使うのか。そこには明確な理由がある。日本の気候では、雨が多く広大な土地を確保できないため、完全天日塩を大量生産することが極めて困難だからだ。そこで伯方の塩は、世界自然遺産隣接の清浄な海域であるゲレロネグロなどで作られた天日塩を輸入し、大三島沖の瀬戸内海の海水で溶かして異物をろ過、再び結晶化させるという独自製法を採用している。日本の海が育むにがり成分(マグネシウムやカルシウム)を含ませながら再結晶させるこのブレンド技術こそが、まろやかで奥深い旨味を生み出す核心なのだ。