現場で過ごす当事者たちは、現在の環境をどのように体感しているのか。取材に応じた中学3年生の男子生徒は、「定期テスト直前のような追いつめられる感覚はありません。ただ、自分で目標を設定して動かないと一気に置いていかれる厳しさがあります」と語る。指示待ち姿勢からの脱却が求められる環境において、生徒たちは自律の難しさと引き換えに確かな成長を実感しているようだ。
一方で、保護者の受け止め方は実に多角派だ。「子供が自ら考えて勉強するようになった」と絶賛する声がある一方で、「強制的な宿題がないため、家庭での学習習慣に個人差が出る。結局は通塾による補強が必要になる局面もある」という懸念の声も聴かれる。従来の常識を覆す指導方針は、生徒の自立心を育む強力な動機付けとなる半面、自己管理能力の差や家庭環境による二極化という新たな課題をも浮き彫りにしている。