今クールの視聴率戦線は、明確な「二極化」が浮き彫りとなっている。トップを独走するのは、重厚なサスペンスと圧倒的なキャスト陣で固めたプライム帯の看板枠だ。個人全体視聴率で他局を大きく引き離し、盤石の強さを見せつけている。
一方で、事前のプロモーションで大々的に煽られた大型ラブストーリーや学園モノが、リアルタイム視聴率で軒並み一桁台前半に沈むという波乱も起きた。キャスティングの豪華さだけに頼った企画は、目の肥えた視聴者にあっさりと見透かされる。チャンネルを合わせた瞬間に物語へ引き込む「初速のフック」を欠いた作品は、過酷な脱落の憂き目に遭っているのが現状だ。
しかし、低迷と囁かれた作品群のデータを精査すると、まったく別の風景が立ち現れる。地上波の数字が振るわない一方で、スマートフォン画面の向こう側では爆発的なトラフィックを生み出しているケースが後を絶たない。視聴者がテレビ受像機から離れたのではなく、「見る場所」と「時間」を自分の都合に合わせて選び直した結果に過ぎない。