大腸がん検診の定番である「便潜血検査」。しかし、この簡易検査で「異常なし」と判定されても、病巣が潜んでいるケースは決して珍しくない。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏の経験は、その医学的現実を世に知らしめた象徴的な事例だ。
鳥越氏は定期的に検診を受けていたにもかかわらず、後にステージ4の大腸がんが判明。肺や肝臓への多発転移を経験し、計4回に及ぶ大手術を重ねて生還した。便潜血検査は早期がんの約半数を見逃すリスクを孕んでおり、進行がんであっても出血のタイミング次第で陰性と出てしまう。
NHKオンデマンドで配信されている『クローズアップ現代』の過去の特集や各種ドキュメンタリー番組でも、この「検診の盲点」は繰り返し警告されてきた。簡易検査だけで安心しきり、内視鏡検査を先送りにすることがいかに危険か。鳥越氏の粘り強いサバイバル劇は、自らの体を疑い、一段深い検査を選択する重要性を物語っている。