「毎日、自分の顔をスマホのカメラで何百枚も撮影してしまうんです。でも、どれもフィルターを通した顔とは違って、見るたびに吐き気がする」
都内の大学に通うサクラさん(仮名・20歳)は、そう言ってうつむいた。彼女のスマートフォンには、他者から見れば十分に魅力的な彼女自身の写真が、フォルダを埋め尽くすほど保存されている。しかし、彼女にとっては「すべて失敗作」なのだという。
2026年現在、SNSの主流となった超リアルタイムAI加工技術は、毛穴一つない肌、完璧な左右対称の輪郭を瞬時に作り出す。この「作られた美」に日常的に触れ続けることで、若者たちの脳は「何が自然な人間の顔か」を忘れてしまっている。現実の鏡に映る自分とのギャップを受け入れられず、自己嫌悪のスパイラルに陥るケースが後を絶たない。