作品の感情的支柱となっているのが、主人公・有栖良平(アリス)を演じる山﨑賢人の迫真の演技だ。自暴自棄だった青年が、仲間を失う絶望を味わいながらも、生き直す意味を必死に模索していく過酷な旅路。山﨑はその目線の動き、呼吸の乱れ、かすれる声のトーンひとつで、追い詰められた人間の脆弱さと内に秘めた強靭さを表現しきってみせた。
物理的なアクションシーンの激しさはもちろんのこと、極限状態での葛藤を描くミステリードラマとしての深みを支えているのは彼の緻密な演技設計にほかならない。極限の生存競争の中で問いかけられる「なぜ生きるのか」という根源的なテーマ。山﨑の体当たりのパフォーマンスは、視聴者の心を強く揺さぶり、物語への共感を不動のものにしている。