1988年11月25日夕刻、埼玉県三郷市で当時17歳の女子高校生がアルバイトからの帰宅途中に拉致された。犯行に及んだのは、足立区を拠点に非行を重ねていた少年グループだった。被害者は足立区綾瀬の加害者宅の2階に監禁され、40日以上にわたって想像を絶する暴行と虐待を受け続けることになる。
警視庁が事件の全容を把握したのは、年が明けた1989年3月のことだ。別件で逮捕された少年の供述から発覚した現場は凄惨を極めていた。ドラム缶に遺体を入れ、コンクリートで固めて江東区の埋立地に遺棄するという冷酷な隠滅工作は、捜査員のみならず日本社会全体に戦慄をもたらした。平然と同居していた加害者の親族が異変に気づきながら通報しなかった事実も、家庭環境の歪みと地域の孤立を浮き彫りにした。