テレビ局の編成担当者が口を揃えて語る事実がある。「彼らが出演を承諾した時点で、その枠の勝敗は半分決まる」。マツコ・デラックスとくりぃむしちゅー。この2組が持つ数字の強さは、単なるタレントパワーの域を遥かに超えている。
多くの芸能プロダクションが直面しているのは、若手育成コストの高騰と所属タレントの離脱だ。だが、ナチュラルエイトの戦略は正反対を行く。所属タレントを増やす気配は微塵もない。むしろ、限られたトップランナーに全リソースを集中させ、制作側との間で圧倒的な交渉力を維持し続けている。安売りは一切しない。しかし、一度引き受けた仕事に対しては、スタッフの意図を汲み尽くし、期待以上の跳ね返りを生む。
特にマツコ・デラックスの動向は、CM業界の潮目すら左右する。予定調和を嫌い、時にスポンサーの意向にすら忖度しない本音の言論。その危うさすらも計算されたプロフェッショナリズムであるとクライアントに確信させるマネジメントの手腕が、ブランド価値を絶対的なものに押し上げている。