事件発生直後から、ネット上では加藤智大の過去の書き込みや、出会い系サイトの利用履歴、職業遍歴が炙り出されていった。加藤は青森県の進学校・青森高校を卒業後、日本大学工学部に進学したが中退。その後、アルバイトや派遣社員を転々としていた。パチンコ店員、飲食店、警備員、工場派遣など職種は多岐にわたるが、いずれも長続きしなかった。事件直前はトヨタ系の関連工場で派遣社員として働いていたが、リーマンショック前夜の派遣切りが直撃した格好だ。
加藤が利用していた出会い系サイトについては、事件後の報道や自著で「女性とつながりたかった」「誰かに必要とされたかった」という動機が語られている。実際に女性と会うことはほとんどなく、掲示板やサイト上でのやり取りにのめり込んでいた。ネット上では「加藤智大 出会い系サイト」という検索ワードが現在も一定数あるが、実態としては「恋愛や性欲」というより「承認欲求と孤独感の穴埋め」だったことが供述から浮かび上がる。
ネットの反応は当初、「許せない」「極刑を」という怒りが支配的だった。しかし、加藤の生い立ちや掲示板の書き込みが詳細に報じられるにつれ、「社会全体が彼を追い詰めた部分もあるのではないか」という同情的な声も一部で出始めた。とはいえ、7人の命を奪った事実の前では、そうした擁護論は容易に封殺された。5chやX(旧Twitter)では現在も、加藤の書き込みを「自己責任だ」と断じる声と「派遣社会の犠牲者」と見る声が対立構造のまま残っている。