一般的な私立理工系学部へ通う場合、年間の学費は150万〜180万円程度に達することが珍しくない。だが、同校の学部授業料は年額約60万円。国公立大学標準額(約53万5800円)に極めて近い水準だ。これを可能にしているのが、世界的メガサプライヤーであるトヨタ自動車による強固な財務基盤と巨額の基金である。
原点は、トヨタグループの祖・豊田喜一郎が抱いていた「研究と創造に生き、常に時流に先んずべし」という熱き産業人哲学にある。企業の社会的還元として1981年に設立されて以来、莫大な基金の運用益が直接教育に注ぎ込まれてきた。現在、会長を務める豊田章男氏が主導するモビリティ変革期においても、その支援姿勢に揺らぎはない。国内外の高等教育機関が運営資金の獲得に苦慮するなか、同校の学生1人あたりに投じられる教育研究費は国内最高水準を維持し続けている。