1942年夏、仕切り直しを図るドイツ軍は南部ロシアの油田地帯を目指す「青作戦(ブラウ作戦)」を開始します。その途上に位置するヴォルガ川沿いの工業都市をめぐり、歴史的な激戦となったのが「スターリングラード攻防戦」です。
指導者スターリンの名を冠したこの街は、双方にとって絶対に譲れない象徴的な戦場と化しました。市街戦は瓦礫の中での肉弾戦(ネズミ戦争とも呼ばれた近接戦闘)へと泥沼化。ソ連軍は持ちこたえながら周到な包囲作戦「ウラヌス作戦」を発動し、ドイツ第6軍(司令官パウルス元帥)の約30万人を完全に孤立させました。
1943年2月、包囲されたドイツ第6軍は降伏。この敗北は独ソ戦における最大のターニングポイントとなり、ドイツ軍は戦略的主導権を永遠に失いました。さらに同年7月の「クルスクの戦い」において史上最大規模の戦車戦が繰り広げられ、ソ連軍の勝利によって東部戦線の帰勢は完全に決定的となりました。