こうした日本特有の「行間を読ませるキャラクター像」は、世界規模のメガコンテンツでも高く評価されている。ワーナーブラザースとHBO Maxが共同制作した大作ドラマシリーズ『Tokyo Vice』はその好例と言えるだろう。
東京のアンダーグラウンドを描いた本作において、過激なバイオレンスや重厚なサスペンスの合間に挿入される登場人物たちの軽妙なやり取りは、作品に卓越したリズムを与えた。国際的なプロデューサー陣は、ハリウッド的なストレートな感情表現とは異なる、日本的な静けさや余白の美学をドラマの核に据えたのだ。過酷な環境下でも動じないキャラクターの佇まいは、グローバルな視聴者層をも魅了した。