インターネット上では「SUVは目線が高く視界が良いから誰でも運転しやすい」「4WDだから雪道や悪路も絶対に安心」という言説が定着していますが、これには重大な誤解が含まれています。
まず乗り心地の側面において、SUVで乗り心地が悪いと感じられやすい車種には構造的な理由が存在します。車高が高くロール(車体の傾き)が大きくなりやすいSUVは、コーナリング時の安定性を確保するために足回りを硬めにセッティングする傾向があります。その結果、路面の凹凸を拾いやすく、後部座席で突き上げ感や微振動が強くなり、同乗者が車酔いを起こしやすいという欠点があります。
また、悪路走破性に関しても過信は禁物です。市販されている多くのクロスオーバーSUVは、乗用車と同じモノコック構造を採用した「都市型SUV」であり、本格的なオフロード走行を想定したラダーフレーム構造(ランドクルーザーやジムニーなど)とは別物です。電子制御式の生活4WDモデルでは、深雪や泥濘地でのスタックを完全に回避できるわけではなく、車重の重さゆえに下り坂でのブレーキング時に制動距離が伸びるという物理的限界を認識しておく必要があります。
さらに、SUVを中古車で購入する際の注意点として、前オーナーがアウトドアや砂浜などでハードに使用していた個体の場合、下回りの錆やサスペンションブッシュの早期劣化が潜んでいるリスクが挙げられます。外観の美しさだけで判断せず、リフトアップによる下回りの点検履歴を確認することが欠かせません。