日本の医療崩壊は、医師不足や高齢化だけが原因ではない。臨床の現場からは、「ネット情報に洗脳された患者の対応に追われ、本来の診療が滞っている」という悲痛な声が上がっている。都内の総合病院に勤務する内科医は、ため息混じりにこう語る。「検査結果を見せて『異常はありません』と説明しても、『でもAIはこう言っています』と食い下がられる。医師の診断よりも、スマホの画面を信じてしまうのです」。
こうした患者は、医師の言葉を疑い、不必要な検査を執拗に要求する。結果として、本当に緊急性の高い患者の診療時間が削られるという悪循環が生まれている。医療への信頼関係は、デジタル情報の海の中で急速に希薄化している。