「ホルモンは絶対に配信をやらない」という言説に対し、近年の動向に詳しいリスナーからは反論が上がることがあります。その筆頭が、世界的人気アニメ『チェンソーマン』第3話のエンディングテーマとなったチェンソーマンED刃渡り2億センチの配信です。
しかし、ここにも亮君らしい周到な戦略が存在しました。各音楽配信サービスに投下されたのは、アニメで使用された89秒の「TV edit」のみでした。狂気的なテンポチェンジと怒涛の展開を見せる楽曲の核心部分やフルバージョンは意図的に配信されず、全貌を体験するためにはCDや映像パッケージを追いかける必要があったのです。サブスクという巨大なプラットフォームを完全に拒絶するのではなく、巨大な宣伝フックとして利用しつつ、フル尺の神聖さはフィジカルに残すという巧みな情報設計でした。
もうひとつの大きなトピックが、2号店コロナナモレモモの配信経緯です。ホルモンが主催したフランチャイズオーディションによって結成された2号店(コロナナモレモモ)は、本店の名曲をリアレンジした音源を主要サブスクで全面的に解禁しました。
この試みに対し、ファンコミュニティでは「ついに本店も解禁されるのでは」と色めき立ちましたが、亮君の狙いは真逆にありました。「2号店という別動隊であれば、ストリーミングという軽い器でも自由に遊べる」という境界線を明確に引くことで、相対的に本店(マキシマム ザ ホルモン)のCD至上主義をより際立たせるという二重構造を作ったのです。
なお、ネット上で「海外のVPNを経由すればSpotify等で本店の楽曲がフルで聴ける」という情報が出回ることがあります。確かに海外向けの一部レーベル契約の都合上、海外IP向けに限定公開されていた時期が存在しました。しかし、各プラットフォームのアカウント利用規約や決済地域の制限が厳格化されており、日常的なリスニング方法としては推奨されません。