開幕直後の歓喜に沸くロッカールームの裏で、暗雲はすでに立ち込め始めていた。専属通訳として長年行動を共にしてきた人物が、違法なブックメーカーへの賭博で作った多額の借金を抱えていた事実。そして、その返済資金がスーパースターの口座から直接送金されていたという疑惑は、世界中のファンとメディアに極大のショックを与えた。
真相が明かされるにつれ、発覚当初の「借金を肩代わりしてもらった」という弁明は虚飾であったことが判明する。実際に行われていたのは、通訳という絶対的な信頼関係と立場を悪用した巨額の着服だった。手口はあまりにも巧妙かつ大胆であり、数年間にわたって巨額の資金が闇へと消えていた事実に、球界関係者は言葉を失った。