韓国現代史における大統領の末路は、まさに流血と断罪の連続である。歴代大統領が辿った結末を時系列で俯瞰すると、その異常なまでの過酷さが浮き彫りになる。
・李承晩(第1〜3代):不正選挙に対する民衆の怒り(4・19革命)によって下野。ハワイへ亡命し、失意のまま異国の地で客死。
・尹潽善(第4代):実権なき大統領として就任するも、朴正煕少将らによる5・16軍事クーデターによってわずか1年半で辞任へ追い込まれる。
・朴正煕(第5〜9代):18年間に及ぶ軍事独裁と「漢江の奇跡」を主導したが、側近である中央情報部(KCIA)部長によって銃撃・暗殺される非業の最期を遂げた。
・崔圭夏(第10代):朴正煕暗殺後の混乱期に就任するも、全斗煥ら新軍部による12・12軍事反乱によってわずか8カ月で実権を奪われ退陣。
・全斗煥(第11〜12代):光州事件の武力弾圧と軍事独裁を敷いた首謀者。退任後、金泳三政権下で内乱罪・反乱首魁罪・不正蓄財により逮捕され、一審で死刑判決(後に無期懲役へ減刑、特赦)。
・盧泰愚(第13代):全斗煥の盟友として大統領に就任。退任後に同じく内乱罪や巨額の秘密資金調達で逮捕され、懲役17年の実刑判決を受ける(後に特赦)。
・金泳三(第14代):自身は逮捕を免れたものの、次男が利権介入と脱税で逮捕・収監。任期末期にはIMF経済危機を招き、国民の激しい批判を浴びた。
・金大中(第15代):太陽政策でノーベル平和賞を受賞する栄誉に浴した一方、任期終盤に3人の息子全員が不正蓄財や斡旋収賄で逮捕される痛恨の事態に直面。
・盧武鉉(第16代):脱権威主義を掲げ国民的人気を得たが、退任後に親族を巡る不正資金疑惑で検察の猛烈な取り調べを受け、故郷の烽火山から身を投げて自死。
・李明博(第17代):実業家出身として経済再生を掲げたが、退任後に自動車部品会社「ダース(DAS)」を巡る巨額横領・収賄容疑で逮捕。懲役17年の実刑判決を受け収監された(後に特赦)。
・朴槿恵(第18代):朴正煕の娘として初の女性大統領となるも、親友・崔順実(チェ・スンシル)による国政介入事件で国会から弾劾訴追され、憲法裁判所の宣告により罷免。収賄罪などで懲役20年以上の重刑を受け収監された(後に特赦)。
・文在寅(第19代):退任後は平穏な隠遁生活を志向したものの、政権交代後に側近や親族を巡る不正疑惑で検察の捜査対象となり、司法リスクに晒され続けている。