当時の報道を記憶している人も多いだろう。2026年3月、志尊淳は体調不良を訴え医療機関を受診した直後、そのまま緊急入院となった。診断名は「A群β溶血性レンサ球菌感染症による急性重症心筋炎」。心臓の筋肉に炎症が起き、ポンプ機能が著しく低下する極めて危険な病態だ。
発症から数時間はまさに分刻みの闘いだった。急速に心不全が進行し、ICUへと搬送された。一歩間違えれば命を落としていたという医師の言葉は、決して誇張ではない。瞬く間に日常が奪われ、ベッドの上で機械の音だけが響く異様な空間。彼の人生において、最も過酷で長い夜が始まった瞬間だった。