テレビ局のドラマプロデューサーとしてバリバリ働く吉野千明と、鎌倉市役所で働く堅物の公務員・長倉和平。小泉今日子と中井貴一という稀代の名優が演じた二人の関係性は、単なる恋愛関係の枠組みを大きく踏み越えていた。互いに隣り合う古民家に暮らし、朝の通勤途中で軽口を叩き合い、夜は酒を汲み交わしながら人生の愚痴をこぼす。この程よい距離感の同居スタイルは、現代における新たな生き方のモデルケースとしても注目されている。
結婚や家族という従来の形式に縛られず、個としての自立を保ちながら寄り添う生き方。放送から10年以上が経過した今、単身世帯の増加や多様なライフスタイルの定着に伴い、彼らの関係性は「理想的な大人のサードプレイス」として再評価されている。互いを所有しようとせず、かといって見捨てない。突き放したような毒舌の裏に潜む深い敬意と信頼は、希薄になりがちな現代の人間関係において、眩しいほどの輝きを放っている。