ダルビッシュ投手の私生活を語るうえで避けて通れないのが、前妻・紗栄子さんとの離婚劇です。2007年の電撃婚から2012年の終焉に至るプロセスでは、連日のようにメディアで憶測が飛び交いました。
報道各社の取材データや関係者の証言を振り返ると、離婚の根底にあったのは「目指すライフスタイルの決定的な相違」でした。当時、プロ野球選手としてストイックに世界最高峰を目指し始めたダルビッシュ投手と、アパレル事業やタレント活動を精力的に展開した紗栄子さんとの間で、時間の使い方や家庭に対する優先順位の乖離が生じたと分析されています。紗栄子さんはその後、実業家や支援活動家として卓越した手腕を発揮しており、彼女自身の才覚に疑いはありませんが、当時の若きアスリート・ダルビッシュが求めた家庭環境とは波長が合わなかったといえます。
一方、現在の妻・山本聖子さんとの暮らしが磐石である最大の理由は、「アスリートの孤独と重圧を骨の髄まで知っている」点にあります。聖子さんは、父・山本郁栄氏(ミュンヘン五輪代表)、兄・故山本“KID”徳郁氏、姉・山本美憂氏というレスリング界のサラブレッドとして育ち、自身も世界選手権を4度制覇した超一流の勝負師です。
減量の過酷さ、怪我の恐怖、勝敗がもたらす精神的重圧を自らの肉体で経験してきた聖子さんは、ダルビッシュ投手が口にしない疲労や不調を直感的に察知します。トミー・ジョン手術をはじめとする長期のリハビリ期においても、焦ることなく同じ目線で寄り添い続けたパートナーシップこそが、現在のダルビッシュ投手の息の長い活躍を可能にしました。