現代の店選びにおいて、スマートフォンの画面とにらめっこする時間は増える一方だ。しかし、食べログの点数、ぐるなびの特集記事、そしてGoogle マップに投稿されるリアルタイムの口コミには、しばしば大きなギャップが生じる。外国人観光客の急増により、マップ上の星評価が地元民の体感と乖離するケースも珍しくない。
「点数やアルゴリズムだけに頼る店選びでは、店の真の心意気は見えてこない」と指摘するのは、関西の食文化を長年見つめ続けてきたフードコラムニストの門上武司氏だ。氏が説くのは、料理人の所作や出汁の引き方、そして客と店主が織りなす空気感にこそ、酒場の本質が宿るという真理である。
情報が氾濫する今だからこそ、デジタルの数値を鵜呑みにするのではなく、自分の直感を信じて暖簾をくぐる勇気が求められている。画面越しには伝わらないカウンター越しの熱気に触れることこそが、外食の醍醐味に他ならない。