2026年代以降、チベット自治区や四川省・青海省などのチベット文化圏において、鳥葬を取り巻く環境は大きく変化しました。以前は一部の天葬場(四川省ラルンガルゴンパやラサ近郊の直貢悌寺など)に興味本位の観光客が押し寄せ、望遠レンズでの盗撮やマナー違反が深刻な社会問題となっていました。
こうした事態を受け、現地当局は「天葬管理条例」に基づく厳格な保護措置を強化。2026年現在、天葬場への部外者立ち入り、写真・動画の撮影、ドローン飛行、SNSへの画像投稿は全面禁止となっており、違反者には厳しい処罰や機材没収が科されます。観光地化された見世物ではなく、遺族のプライバシーと信仰の尊厳を守る無形文化遺産としての管理が徹底されています。
一方で、野生ハゲワシの生息数減少や定住化、家畜への投薬(抗炎症薬ジクロフェナク等)による猛禽類の二次中毒死といった生態学的課題も浮上しています。伝統的な天葬の維持と生態系保護をいかに両立させるかが、現代における新たな議論を呼んでいます。