ネット上のQ&AサイトやSNSで頻繁に見られるのが、「ユニクロのLが着られるなら11号で大丈夫」「13号を着るのは太っている人だけ」という短絡的な思い込みです。しかし、これらはアパレル業界の構造を無視した危険な誤解に過ぎません。
第一に、ブランド別規格サイズ比較を行うと、同じ「11号」「13号」と表記されていても、ターゲット層によって実寸が全く異なるという厳然たる事実が存在します。
- 百貨店キャリアブランド(20〜30代向け):細身のシルエットを売りにしているため、11号であってもJIS規格の9号に近いタイトな寸法で縫製されているケースが多々あります。
- ミセス・シニア向けブランド:背中の丸みや腹部の厚みをあらかじめ計算し、同じ11号でもアームホールやウエストが一般的な13号並みにゆったり作られています。
- ファストファッション(UNIQLO等)のグローバル規格:「Lサイズ」と表記されていても、欧米規格をベースにローカライズされている場合、身幅やアームホールはJISの13号を上回るサイズ感であることも珍しくありません。
第二に、体重や体脂肪率とは無関係に、骨格構造の都合で13号を必要とする人が多数存在します。その代表例が「ぽっちゃり骨格ストレート」や「胸板が厚いグラマー体型」の方々です。
骨格ストレートタイプは、上半身に重心があり、鎖骨周りやデコルテに厚みがあります。二の腕の外側にも筋肉やハリが出やすいため、体重計の数字が標準以下であっても、11号のジャケットを着ると肩口や二の腕がパンパンに張り詰めてしまいます。この場合、13号を選んで上半身の立体感をすっきりと収め、必要に応じてウエスト周りを数センチだけお直し(身幅詰め)する方が、圧倒的に着痩せして見えるのです。「13号=太っている」という心理的ラベリングは、真に洗練された着こなしを遠ざける最大の障壁と言えます。