相次ぐ休演発表の際、公にされた理由は「強い疲労」や「体調不良」といった簡潔な言葉に留まっていた。これがファンの間で重病説を呼ぶ一因となったが、実情はより計画的な身体のメンテナンスに近い。半世紀以上にわたり肉体を極限まで酷使し続けてきた名優にとって、80代を迎えての激しい舞台務めは、想像を絶する負荷を強いるものだった。
療養生活の舞台裏を知る松竹関係者はこう明かす。「車いす生活や重度の内臓疾患といった根拠のない噂も一部で出ましたが、命に関わるような重篤な疾患ではありません。長年の舞台生活による関節や足腰の疲弊、そして声帯のケアを最優先にするため、医師の強い勧めで過密日程をセーブしているのが実情です」。
現在は自宅でのリハビリと定期的な通院を続けながら、規則正しい生活を送っている。毎朝の軽いストレッチ、声のコンディションを保つ発声練習、古典戯曲の読み込みは日課のままだ。現場復帰への意欲は一切衰えておらず、関係者との面会でも劇界の行く末を熱っぽく語る姿が見られるという。