2015年秋、フジテレビの月9枠で放送された『5→9〜私に恋したお坊さん〜』。英語講師として海外進出を夢見る主人公を石原さとみが弾けるような愛嬌で演じ、彼女に一途すぎる偏愛を注ぐ僧侶役を山下智久がストイックかつユーモラスに体現した。軽妙洒脱なテンポ感と王道の胸キュン要素が絡み合った極上のラブコメディは、低迷が囁かれていた当時のドラマ界に強烈な風穴を開けた。
特筆すべきは、二人の台詞の掛け合いが生み出すリズムだ。早口の英語と日本語が交錯するコミカルなシーンから、ふとした沈黙が感情を雄弁に語るシリアスな場面まで、呼吸が完璧に揃っていた。脚本の意図を汲み取りながらアドリブを重ね、生きた芝居へと昇華させる力。視聴者は毎週、二人が織りなす圧倒的な引力に引き込まれていった。