世界最高峰の栄誉とされる国際ボクシング名誉の殿堂博物館(IBHOF)の選考システムは、極めて厳格かつ民主的なプロセスで進められる。全米ボクシング記者協会(BWAA)の古参メンバーや国際的なボクシング史家たちによる秘密投票。得票率上位の者だけがカナストータの緑豊かなパレードを歩く権利を得る。
対象となるのは現役引退から満3年が経過した選手だ。かつては5年の引退期間が義務付けられていたが、現役時代の熱狂を色濃く残したまま評価を下すため、2018年に規約が改定された。選考基準の裏側で最も重視されるのは、単なる勝敗数や防衛回数ではない。対戦相手の質、階級統一の有無、そして自らの時代をどれだけ支配したかという絶対的なインパクトである。
日本人候補者に対する見方も大きく変わりつつある。かつては極東の島国という地理的ハンディキャップが存在したものの、近年のグローバルな情報網の発展により、東洋の王座戦も正当に評価される土壌が整った。最新のノミネート動向においても、過去の複数階級制覇王者たちの功績が改めて掘り起こされており、次なる偉業達成への期待が高まっている。