なぜテレビ局や制作陣は、お天気キャスターの選定にこれほどまでに心血を注ぐのか。そこには放送業界が直面する切実な裏事情が存在する。
近年の極端な気象変動により、視聴者が求める情報は「今日の天気」から「命を守る防災情報」へと重みを増した。そのため、単に見栄えが良いだけのキャスター起用はリスクとなりつつある。一方で、難解な気象用語ばかりを並べる専門家では、忙しい朝の視聴者を惹きつけられない。
求められているのは、高度な知識を持ちながらも、友人のように語りかけてくれる「黄金比」の存在だ。各局のプロデューサーは、タレント性と気象予報士としての専門的知見をいかにバランス良く組み合わせるか、日々頭を痛めている。お天気コーナーは、番組全体の視聴率を左右する「視聴維持のキーパーソン」として機能しているのだ。