環境省および日本照明工業会の公表資料にある通り、「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)」の決定により、2027年末までにすべての一般照明用蛍光ランプの製造および輸出入が禁止されます。これに伴い、国内主要メーカー各社は蛍光灯の生産ラインを順次閉鎖しており、店頭の在庫が底を突くのは時間の問題となっています。
ここで多くの一般消費者が陥りがちなのが、「ランプだけをLEDに交換する互換性トラップ」です。
既存の蛍光灯器具には、電流を制御するための「安定器(またはインバーター電子回路)」が内蔵されています。点灯方式には以下の3種類が存在します。
- グロースターター式(点灯管・豆球のようなスイッチがあるタイプ):工事不要をうたうLEDランプも存在するが、点灯管を外す作業が必要。安定器には通電し続けるため発熱リスクが残る。
- ラピッドスタート式(点灯管がなく、スイッチを入れると素早く点灯するタイプ):配線バイパス工事を行わずにLEDランプを装着すると、安定器が異常発熱し、最悪の場合は発煙・発火事故に至る。
- インバーター式(電子回路で高周波点灯させるスリム管などに多いタイプ):専用配線工事が必須。そのまま取り付けると回路の破損やショートを引き起こす。
日本照明工業会(JLMA)の安全基準ガイドラインによると、照明器具の物理的寿命は約8〜10年とされています。10年以上使用している器具にLEDランプだけを無理に装着しても、内部の安定器の経年劣化による火災事故のリスクは回避できません。現在蛍光灯が切れたタイミングこそ、ランプ交換ではなく「器具本体ごとLEDシーリングライトへ買い換える」のが最も安全かつ経済的な選択肢です。