政令はその性質によって、大きく「委任命令」と「執行命令」の2つに分類されます。この区分は、国民の権利や義務にどの程度踏み込めるかという観点において決定的な差を生み出します。
委任命令とは、法律から具体的な委任を受けて、本来法律で決めるべき実体的な権利義務の内容を定める政令です。一方の執行命令は、法律を実施するために必要な手続きや申請様式、技術的な細目のみを定める政令を指します。
ここで極めて重要なのが、政令による罰則規定の制限です。日本国憲法第73条第6号ただし書には、「政令には、法律の委任がなければ、罰則を設けることができない」と明記されています。国民を逮捕したり刑罰を科したりするような重大な制限は、国民の代表が集まる国会で決めた法律の具体的な委任根拠がなければ、内閣が独断で政令に盛り込むことは絶対に許されません。無制限な権力行使を防ぐための強力なブレーキが組み込まれています。