新車時のプライスタグに対して、中古車相場が極端な下落を見せる現象は、輸入大型ラグジュアリーカー全般に見られる共通の傾向です。その中でもBMW 6シリーズカブリオレの値落ち幅がひときわ際立っている背景には、複合的な要因が絡み合っています。
第一の理由は、ボディタイプとしての需要の偏りと縮小です。世界的なSUVブームの定着に伴い、全長4.9m弱、全幅1.9mに迫る大柄な2ドアオープンカーの実用需要は著しく限られています。新車購入層である富裕層は3〜5年の車検サイクルで次々と最新鋭の新型車へ乗り換えるため、供給過多に対して中古車市場の受け皿が追いつかない構図が定着しました。
第二に、ブランドのモデル再編による影響が挙げられます。公式発表資料の系譜を辿ると、クーペおよびカブリオレのフラッグシップ路線は上位クラスのBMW 8シリーズ カブリオレ 後継へと移行し、6シリーズという呼称自体はハッチバック形状のグランツーリスモ(G32)へと役割を変えたのち、最終的にラインナップから姿を消しました。このBMW 6シリーズ 生産終了 理由となった上級シフトにより、型落ちモデルとしてのポジションが決定づけられた点も見逃せません。
さらに、大排気量・多気筒エンジン特有の税金、ハイオクガソリンの高騰、そして「故障した際の修理費用が新車価格に比例して高額になる」という市場の警戒感が、中古車買取価格を押し下げる大きな圧力として働いています。結果として、車体本体の性能や美しさは一級品でありながら、相場だけが先行して崩れるという「買い手にとってのバーゲン状態」が生まれているのです。