「ただ立っているだけで脂肪が燃焼するのか」という疑念に対する答えは、人間の身体構造と運動生理学の視点から紐解くことができる。振動するプレートの上に立つと、頭部の揺れを防ぎ姿勢を保とうとして、全身の筋肉が反射的に収縮と弛緩を急激に繰り返す。この無意識下の反応こそが、全身振動トレーニングの核心だ。
筋肉の理論に詳しい東京大学名誉教授の石井直方氏ら専門家も指摘するように、毎秒数十回に及ぶ微細な振動は深層筋(インナーマッスル)に強力な刺激を与える。自発的な筋トレでは意識しにくい腹横筋や多裂筋が自動的にフル稼働し、効率的な体幹エクササイズが成立する。ただし、カロリー消費そのものは激しい有酸素運動と同等とは言えない。基礎代謝の向上や姿勢改善による引き締め効果が、結果として「痩せた」という実感を支えているのが真相である。