SNSや動画サイトでは「レジ袋を三角折りにすると人生が変わる」「家事が劇的に整う」といった情報が数多く流通していますが、現場の家事実態を検証すると、いくつかの見落とされがちな落とし穴が浮かび上がってきます。
最大の盲点は、几帳面な作業がもたらす「認知負荷」と家事の形骸化です。人間が1日に判断・集中できるエネルギーには限界があります。仕事や育児で疲労困憊している夜に、1枚数円相当の薄いポリ袋を前にして「綺麗に空気を抜いて何回も折る」という作業を自らに課すことは、心理的負担を増大させ、結果として「たたむのが面倒だから後でやろう」とレジ袋を放置する山を作る最大の原因になります。
また、ネット上では「折って小さくすればいくらでも溜め込める」という誤解が散見されますが、これは整理収納の観点からは本末転倒です。物理的に小さくなったからといって、50枚も100枚も引き出しに眠らせていては貴重な収納面積を死蔵させているに過ぎません。生活必需品としての適正ストック量は、一般的な4人家族であっても「大サイズ10〜15枚、小サイズ10〜15枚」の計30枚程度で十分循環します。「ストッカーから溢れた分は畳まずにすぐ捨てる、あるいは資源回収に出す」という引き算のルールこそが、真のスッキリした暮らしを支える基盤となります。