天満の寿司カルチャーを語るうえで外せない二大巨頭が存在する。「春駒」と「すし政」だ。平日であっても開店前から数十人の列ができる春駒本店。分厚く切られた中トロや、特製タレをサッと塗ったふっくら煮穴子は、口に運んだ瞬間にほどけていく。皿の上があっという間に空になるテンポの良さも心地いい。
一方、昭和の風情を色濃く残す「すし政」も負けてはいない。驚異的な価格設定のランチ握りから夜のアラカルトまで、ベテランの寿司職人が淀みない手さばきで繰り出す。長年培われた独自の仕入れルートと高い回転率が、この価格破壊とも呼べる高水準を支えている。ただ安いだけではない。職人の確かな技術が、素材本来の旨味を極限まで引き出している。