イラストを描く際、多くの人が最も時間を費やし、結果として挫折しやすい部位が「手」と「足」です。指の関節や甲の凹凸を忠実に再現しようとすると、デフォルメされた全体のテイストと乖離し、違和感の原因となってしまいます。
手足の簡単な描き方の鉄則は、細部を大胆に削ぎ落とした「シルエット化」にあります。
手を描く際は、5本の指を描くのをやめ、「親指だけを出した鍋つかみ(ミトン)型」または「小さな丸に親指のチョンを付けた形状」に簡略化します。これだけで、物を持つ・手を振る・腰に手を当てるなど、日常のあらゆるジェスチャーを愛らしく表現可能です。
足先についても、靴のディテールを追うのではなく「斜めにカットしたコッペパン型」や「先が丸いしずく型」で十分な説得力が生まれます。ボールペンイラスト人物を描く現場では、0.5mm程度のゲルインクペンを使用し、迷い線を重ねずに一息で線を引くことが、すっきりとした清潔感のある仕上がりを実現するポイントです。