中央本線の連続する急カーブを高速でクリアするため、JR東海が満を持して投入を開始したのが385系量産先行車だ。385系電車開発プロジェクトの核となる技術は、ジャイロセンサーとGPS、そして線路データとの連動を高度化させた「次世代振子制御システム」にある。従来の制御式振子に比べ、カーブへの進入タイミングと傾斜角度の追従性が劇的に向上した。
試運転で目撃された走行シーンは、従来の特急列車の常識を覆すなめらかさだった。車体傾斜時の揺れ戻しが極限まで低減されており、遠心力を感じさせない走りが実現している。山岳区間の速度維持と乗り心地の両立という難題に対し、JR東海の技術陣が見せたひとつの到達点と言えるだろう。