「ヘドロ」という強烈な愛称が全国区となった背景には、テレビ番組で見せた圧倒的な自堕落ぶりがあった。家を空けがちで趣味のバンド活動や弾き語りに没頭し、家族や相方を呆れさせる姿はお茶の間に強烈なインパクトを残した。だが、お笑い芸能界の第一線で戦い続けてきた男の本質は、決して単なる「ダメ男」ではない。
彼が近年とりわけ情熱を注いでいるのが「落語」の世界だ。高座に上がり、扇子と手ぬぐい一丁で客席を惹きつける姿には、長年の漫才で培った間(ま)と卓越した人間観察眼が惜しみなく注ぎ込まれている。高座での評価は業界内でも高まる一方だ。破天荒な生き様そのものが噺(はなし)に深みを与え、観客の笑いと涙を誘う唯一無二の芸風を生み出している。