日本全国には数多くの五重塔が点在していますが、その中で国の宝である「国宝」に指定されている木造五重塔はわずか9基しか存在しません。数百年から千数百年の風雪を耐え抜いてきた名塔たちの高さと歴史的背景を整理しました。
【国宝指定の木造五重塔一覧(高さ順)】
・東寺五重塔(京都府):約54.8m / 1644年再建(江戸時代)
・興福寺五重塔(奈良県):約50.1m / 1426年再建(室町時代)
・醍醐寺五重塔(京都府):約38.0m / 951年建立(平安時代)
・法隆寺五重塔(奈良県):約31.5m / 7世紀末〜8世紀初頭(飛鳥〜奈良時代)
・瑠璃光寺五重塔(山口県):約31.2m / 1442年建立(室町時代)
・羽黒山五重塔(山形県):約29.2m / 1372年頃再建(南北朝時代)
・明王院五重塔(広島県):約29.1m / 1348年建立(南北朝時代)
・海住山寺五重塔(京都府):約17.7m / 1214年建立(鎌倉時代)
・室生寺五重塔(奈良県):約16.1m / 800年頃建立(平安時代初期)
世界最古の木造塔である法隆寺五重塔は、下層から上層に向かうにつれて屋根の幅が狭くなる逓減率(ていげんりつ)が非常に高く、どっしりとした抜群の安定感を誇ります。対照的に、国宝の中で最も小ぶりな室生寺五重塔は、屋外に立つ木造五重塔として日本最小クラスの約16.1メートル。杉木立の中に佇むその姿は「女人高野」の優美さを象徴する端正な美しさを放っています。