ゲームは終始、相手投手の伸びのある直球に苦しめられる展開だった。8回終了時点で2点ビハインド。焦りが募る場面でも、沖尚ベンチに諦めの色は一切なかった。「次の打者へ繋ぐ」——ただそれだけを胸に打席に立った7番打者が放った左前打が、逆転劇の口火を切ることになる。
続く代打が死球を選び、満塁となった場面での主将の一振り。ファウルで粘り続け、カウントフルからの8球目を振り抜いた打球は、ライト線を鮮やかに破った。走者2人が生還し、一気に同点。さらに相手の悪送球が重なり、サヨナラのホームを踏んだ瞬間、アルプススタンドは爆発的な歓喜に包まれた。