「以前は声を張り上げて指の符丁を見せ合うのがセリの醍醐味だった。でも今は、画面上で0.1秒単位の価格更新を追いかける時代だよ」。東京・豊洲の老舗仲卸店主は、苦笑いしながらも画面から目を離さずに語る。
2026年、主要な市場で導入が進んだAI価格予測とクラウド型入札システム。これにより、遠方の仲卸や飲食店シェフも現場に足を運ぶことなく、仕入れに参加できるようになった。熟練の目利きによる評価データがリアルタイムで可視化され、産地の漁師にとっても「自分の魚がいくらで評価されたか」が即座にわかる透明性が確保されている。