現在、理学療法やスポーツ医学の現場で最も推奨されているのが「神経滑走運動(Nerve Gliding Exercise)」だ。従来のような筋肉を単純に伸ばすストレッチとは異なり、手根管の中で引っかかっている正中神経を滑らかに前後に動かし、癒着を防ぐ手法である。
方法は極めてシンプルだ。肘を伸ばして胸の高さで手を前に出し、手首を反らせて指を広げる。そこから頭を手の反対側に傾け、神経を優しく牽引する動作を数秒キープする。これを1日3〜4回、数分程度繰り返す。ポイントは無理な激痛を伴うまで伸ばさないこと。じんわりと温かさを感じる程度の負荷が、最も高い神経可動性の改善をもたらす。