首都圏における電力需要構造は、この数年で劇的な変化を遂げた。AIデータセンターの爆発的な増加と、電気自動車(EV)の本格的な普及。これらが重なり、電力のピーク需要は従来の予測を超える水準で高止まりを続けている。
供給側の事情も切迫している。高度経済成長期に建設された火力発電所の老朽化に伴う休廃止が進む一方、代替となる新設電源の確保は容易ではない。天候に左右される太陽光発電への依存度が高まった結果、夕方の「ダックカーブ」現象——太陽光出力が低下する時間帯に需要が重なる現象——がより顕著になり、供給予備率が安全水準とされる3%を脅かす場面が日常化しつつある。