この見えない危機に対し、自治体やテック企業の動きは迅速だ。東京都や大阪府は、街頭の街路灯や次世代信号機、移動する路線バスに超小型の粒子計測AIセンサーを一斉に導入した。これにより、数メートル単位の精細さで空気の状態をマップ上にリアルタイム表示するインフラが完成した。
「広域の平均値しか分からなかった時代は終わった。いまやストリートごとの空気の汚染度がピンポイントで分かる」と、都市環境工学を研究する大学教授は語る。市民はナビゲーションアプリを使い、最も空気がクリーンな裏通りを選んで通勤や通学を行うようになっている。