ブティックと並んで街の生態系を支えているのが、妥協のない独立系マイクロロースター(小規模焙煎所)やギャラリーカフェの存在だ。コンクリート打ちっぱなしの店内、壁一面に展示されたコンテンポラリーアート、そして浅煎りのシングルオリジンコーヒー。ここでは誰もが急ぐことなく、カルチャーの余韻に浸っている。
「服を買うためだけに訪れる街ではない」と、長年この街でカフェを営むバリスタは語る。ショップのスタッフと客、あるいは旅行者同士がコーヒーを片手にファッション論議を交わす。かつてのサロンのようなコミュニティ機能が、ストリートのあちこちに自然発生的に組み込まれているのだ。