今年の式典会場でひときわ目を引くのは、高度に融合した物理空間とデジタル空間の共存だ。ある都内の高校では、海外留学中の在校生や遠方に住む高齢の家族が、高精細アバターとなって式典会場の指定席に着席。リアルタイムの表情認識技術により、スクリーン上のアバターが感極まって涙を浮かべる様子が投影され、会場に深い感動を呼んだ。
さらに注目を集めているのが、生成AIを活用したメッセージ動画だ。過去数年間の行事写真や文集のテキストを学年全体で安全に共有し、学年固有のエピソードを織り込んだ対話型祝辞を生成。マニュアル通りの祝辞ではなく、生徒一人ひとりの名場面がスクリーンに映し出される演出は、参列者の胸を強く打っている。形式的な言葉遣いを排し、等身大の思い出を語りかけるAIの活用は、テクノロジーが血の通った温もりを生み出せることを証明してみせた。